与えると、価値は増大していく

先日ブログで、
ルーム・トゥ・リードというグループのお話しをしました。
このグループは、本を読める環境でない国の子ども達に、
図書館や学校をプレゼントするという活動を世界規模で行っています。
 
素晴らしい知恵と行動力で、
世界中の多くの子ども達に本を読む機会を提供している彼ら。
そんな彼らの足元にも及びませんが、
私は、ある男の子に毎月図鑑を送っています。

母親からのメールによると、喜んで読んでくれているとのこと。
 
私は子どもの頃、祖母に毎月図鑑を買ってもらっていました。
お陰で、図鑑に魅了された私は、世界への関心を強く持つことができました。
理科の成績もずっとよかったです。
図鑑と出会えていなかったら、私の人生は違ったものになっていたと思います。
この図鑑と出会うことの価値を与えてもらった私は、
今度は与える役割を担うことができ、とても嬉しく思っています。
 
今、図鑑の代金は2千円程度。高くても5千円です。
この2千円を私が使っても、単に日々の維持費やなにやらで消費されて終わりです。
ところが、この2千円が、この男の子に図鑑という形で提供されたとしたら、
私が使うよりも、はるかに巨大な価値が創造されます。
このことは、私が言葉を重ねなくても、
容易にイメージしていただけると思います。
 
これは、お金に限った話しではなく、「優しさ」も一緒。
本当に心の底から苦しんでいる人に、優しい言葉をかけたとき、
その「優しさ」は巨大な価値を生み出します。
 
マザー・テレサは、道端でウジにまみれて人々から放置され死にゆく女性に
優しい言葉をかけ、その女性の最後を見取りました。
その女性にとって、マザー・テレサの「優しさ」はいかほどの価値であったのか。
その女性は、マザー・テレサに「ありがとう」と微笑んだそうです。
これほど美しい微笑みには出会ったことがなかったと、マザー・テレサは語っています。
 
「与える」ということ。
私は、人生を生きる上で重要なキーワードであると考えています。
「与える」ことを主軸に、人々が生き、それを社会がサポートすれば、
きっと幸せな理想郷を実現できるような気がします。
 
ダライラマ14世は「与える」ことに関して、こんなことを言っています。
 「何かを与えれば、代わりに得るものがある──幸せだ。」 
また、こんなことも言っています。
 「どんな大きな流れも、  きっかけは一人の小さな行動から生まれます。
  もしあなたが「自分には大したことなど出来ない」  と思ってしまったら、
  それは世界にとって大きな損失となるのです。」