「子どもの2大行動原理」

前回の記事で、大切なことに気づけたので、
今回は同じテーマをもう少し深掘りします。
(前回ブログ:「不幸」の反対は、本当に「幸せ」なのか?
 
今回追っているテーマは、ぶっちゃけると「逃げ」に関することです。
 
「逃げ」ても「幸せ」になれない。
 
こう書くと当たり前のこと過ぎて、
もう改めて描くことがないような気もします。
 
しかし私も含めて多くの人が、そのことをわかっていても行動に移すことができない。
 
つまり、"本当には"わかっていないのです。
 
「逃げ」ても「幸せ」になれないことを、私達は経験則で知っています。
私の人生なんかは、「逃げ」て失敗し「逃げ」て後悔し、の連続です。
 
おそらく多くの人が体験的に、
「逃げ」ても「幸せ」になれないことを理解しています。
しかし、それでも何度も何度も繰り返してしまう。
それはやっぱり、ちゃんと「心」が理解していないからなのだと思うのです。
 
「頭」では、「逃げ」ても「幸せ」になれないことを知っている。
しかし「心」では、「逃げ」る先に「幸せ」があると期待してしまう。
 
だから、毎回毎回逃げる。
 
そんな意味不明な状態から抜け出すために、ちゃんと整理しましょう。
 
私達が「逃げ」るのは、「不快」や「不幸」からです。
しかし「不快」からうまく逃れても、「快」が生まれるわけではありません。
同様に「不幸」な状態から脱することができても、「幸せ」になる訳では決してない。
 
もちろん「不快」や「不幸」から逃れた先には、「平穏」があることは確かです。
しかし、「平穏」=「幸せ」ではありません。
 
保護者がいる子どもの頃は、多くの人にとって「平穏」の時期です。
しかし、子どもは「平穏」では飽きたらず、強く「遊び」への衝動を有します。
子どもにとって「平穏」は望ましいことではありますが、
「遊ぶ」ことで、世界を知り、世界を感じ、世界に接触したいのです。
 
「遊べ」と言われて、「遊ぶ」子どもはいません。
子どもは主体的に「遊ぶ」ことで、「幸せ」を手に入れようとする訳です。
子ども達は、本能的に知っています。
「幸せ」になるための方法を。
 
一方で私達大人は、「平穏」が簡単に手に入らないので、
「平穏」を獲得することに集中しなければいけません。
そうすると、忘れてしまうのです。
「幸せ」になろうとする「遊び」の衝動を。
 
子ども達の行動原理は、実にシンプルです。
(1)「不快」や「不幸」からは逃げる。
(2)「興味」や「幸せ」に向かって動く。
※(1)と(2)は、互いに独立している
 
私達大人は、真面目な顔をして、
「幸せ」になるためには、自己実現が必要だ、そのためには目標が必要だ、とか
難しいことを言います。
 
だけど、自己実現だって、子ども達の「遊び」の延長です。
子ども達が、親が驚くことを目標にして、いたずらを決行する。
こんな子ども達の挑戦は、大人になってからの自己実現と、
本質的に変わらないと思うのです。
 
子ども達の「遊び」を舐めちゃいけません。
子ども達の「遊び」は、
世界を知り、世界を感じ、世界に接触する重要な「魂」のミッションなのです。
 
これを大人の世界に当てはめたら、自己実現とか難しい言葉になってしまいます。
 
「子どもの2大行動原理」を思い出して下さい。
(1)「不快」や「不幸」からは逃げる。
(2)「興味」や「幸せ」に向かって動く。
 
私達は、(1)にばかり時間とエネルギーを投入しがちです。
だから、どんなに頑張っても「幸せ」を実感できないのだと思います。
そうではなくて、初心に戻って「遊ぶ」ことを思い出しましょう。
(1)に投じている時間とエネルギーの一部を、「遊ぶ」ことに振り分けるのです。
 
「遊ぶ」と表現すると、勘違いがあるかもしれないので、
より正確に表現するなら、自ら「動く」ということです。
 
(1)は、外部環境によって自分が「動かされて」います。
例えば、テレビを観ている時間。
これは自分でリモコンをいじってテレビを観ていますが、
「逃げたい」という気持ちに「動かされて」の行動だと感じます。
気を紛らわせることができるなら、他の行動でもよい訳ですから。
ボーッとテレビゲームやスマホゲームで遊んでいるのも、同様だと感じます。
 
一方(2)は、世界を知り、世界を感じ、世界に接触するために行う、「魂」の「遊び」です。
「遊び」の時は、純粋に自分の意思で動きます。
 
私達は(1)にばかり気をとられ、(2)を忘れてしまっているのです。
それは子どもの頃、「遊んでばかりいないで××をやりなさい!」と怒られたから?
 
もう私達を怒る大人はいないのですから、
そろそろ本気で遊んでよい頃だと思うのですが、いかがでしょうか?
 
本気で遊ばないと、「幸せ」になれない。
そのことは、子どもを見ているとよくわかります。