「特別」になりたい

人は「特別」に憧れる。
 
子どもの頃、人は「特別」な存在だった。
周囲から「特別」の存在として扱われ、
ただ笑うだけで、喜ばれた。
 
ただ笑うだけで、皆が喜んだ。
 
大人になると、「特別」ではなくなる。
「特別」でないことは、とても辛いこと。
 
どうしても「特別」になりたい人は、
例えば、アイドルを目指す。
例えば、政治家を目指す。
 
「特別」になれない普通の大人たちは、
笑うだけでは、もはや周りは喜んでくれない。
 
だから周りが喜んでくれるよう、
一生懸命に人の役に立とうとする。
 
「特別」になりたいから、
捨ててはいけないものも、捨ててしまう。
売ってはいけないものも、売ってしまう。
傷つけてはいけないものを、傷つけてしまう。
 
でも「特別」になりたい。
でも「特別」になれない。
 
どうする?
 
「特別」を目指して、このままイバラの道を進む?
「特別」でなくてもよいんだ、と自分を変える?
 
でも「特別」になりたい。
 
イバラの道でも「特別」を目指そう。
ただし、捨ててはいけないものは捨てない。
ただし、売ってはいけないものは売らない。
ただし、傷つけてはいけないものを傷つけない。
 
でも、何のために「特別」になるのか?
「特別」になって、何かいいことがあるのか?
 
誰かの「特別」になったら、「心」が満たされるかもしれない。
あの頃のように。
「心」を満たしたい。
 
「心」を満たしたい。
ますは「心」を満たしてから、次に進みたい。
 
うん。次に進む。
うん、少しだけ「心」を満たしたら、今度は他の人の番。
他の人の「心」を満たせる人間になろう。
 
だから、少しだけ「特別」になりたい。
ちょっとだけ「心」を満たしたい・・・