「SBAR(エスバー)」 誰のために報告するのか?

今日「SBAR(エスバー)」という正確に報告するための技術を、職場の方に教えて頂きました。
「SBAR(エスバー)」は、看護師が看護学校で学ぶコミュニケーション技術です。
医師に正確に素早く患者の状況を伝えるために、この技術を活用します。
 
元々は、アメリカ軍のチームワークの研究から生まれたものだそうです。
それが、軍隊と同様にめまぐるしい状況変化と瞬時の判断を要求される医療の現場にも
導入されました。
 
具体的にどういった技術かというと、
以下の順番で報告を行うというものです。
【S】Situation(状況)
【B】Background(背景や経過)
【A】Assessment(評価や考え)
【R】Recommendation(提案や依頼)
 
まず、起こった出来事を端的に報告する。(Situation)
そして、その状況になった背景を説明する。(Background)
次に、その出来事に対する自分なりの評価を伝え、(Assessment)
最後に、「こう対応したいがどうか?」という提案を行う。(Recommendation)
 
例えば・・・
【S】居間で兄弟喧嘩が発生しています!
【B】お土産のショートケーキを二人に1個ずつあげたときに、喧嘩が発生しました。
【A】どうやら、弟が兄のショートケーキのイチゴを食べてしまったことが原因です。
【R】弟に「人の分をとっちゃいけない」と諭した後、
  姉である私のショートケーキのイチゴを兄にあげようと思いますがいかがでしょうか?
 
そうすると母親が、「じゃあ、そうしてあげて。ありがとう。」ということになる訳です。
 
以前のブログ(プレゼンとは、「空気」になることと見つけたり)にも描きましたが、
報告やプレゼンは誰のために行うものか?という点が重要になります。
 
決して自分が相手からよく見られるために行うものではないのです。
そうではなくて、相手にプラスとなる有用な情報を渡すために行われます。
 
自分のための報告やプレゼンは、きっと不要な肩の力が入ってしまうでしょう。
またきっと相手のことを第一優先にしていないので、
相手に伝わる話の焦点がぼけてしまう恐れがあります。
 
義務感からの報告も、それは自分のためです。
そのような報告も、要領を得ない内容になる可能性があります。
 
コミュニケーションとは、本来「つながり」に基づく「喜び」が介在するものです。
報告も相手に貢献する「喜び」の下に行われれば、
相手のニーズに基づいた適切な報告ができるのだと感じます。
 
偉そうに描いていますが、これは私にとっても重要な課題です。
「SBAR(エスバー)」のような技術もどんどん吸収して、
コミュニケーションスキルを伸ばしていきたいと思います。
 
他者との接点では、コミュニケーションが常に二者を繋ぐ媒介です。
ゆえに適切なコミュニケーションは、「優しさ」の原点だと私は思います。
 
「笑顔」には少し自身があるので、
後は「優しいコミュニケーション」を目指していきたいなと想う次第です。