貸していたお金が返ってきた

先日のブログ記事『「友達」とは何か?』で、
私は5年前に人にお金を貸して、
そのお金はまだ返ってきていないというお話をしました。
その方は、私が夜間業務をこなす青果卸に勤めていた頃の人間味のある上司でした。
 
その人とは別の人ですが、
同じ職場の人で私が過去にお金を貸していた人から、
5年ぶりに電話がありました。
「お金を返した」という電話です。
 
当時のその夜間業務の職場にはいろいろな方がいらっしゃいました。
もちろん、元々野菜業界一筋の方々もいますし、
夜間のきつい仕事なので採用基準が割と甘かったため、
事業に失敗した方で家族を抱えてとにかく稼がなきゃという方もいらっしゃったのです。
私は、私の事情でこの会社に2年ほど勤務しました。
 
そこでの経験は、夜間の仕事で厳しいという側面もありましたが、
いろいろな人達と出会え、その体験が私の人生の糧になっていると感じている次第です。
 
さて、昨日5年ぶりに「お金を返した」と電話を頂いた方。
その方は、以前起こした事業に失敗し家族を抱えてとにかく稼がなきゃという方でした。
 
その人は「優しい」人で、私に野菜のイロハを教えて下さいました。
そして、その人とはよく話をしたものです。
「この会社はこうあるべきだ」というような話から、自慢の一人息子の話もしてくれました。
 
私がよく覚えているのが、その方の家族旅行のお話です。
交代要員がおらずなかなか夏休みも取れないきつい職場でしたが、
その方は一日だけ夏休みをとられ、車で那須に家族旅行に行ったと話していました。
当時のその仕事は、夜間の仕事です。
朝に家に帰ったら日中寝て、夕方から出勤します。
ですから、昼間生活する家族と一緒に行動するのはとても難しいことなのです。
 
すなわち、その家族旅行は、
徹夜の仕事の後にそのまま強行された日帰り弾丸ツアーだったのです。
 
この人は家族を護るためにこんなに「一生懸命」頑張っているのだなと、
僭越ながら感じました。
仕事への態度も実に誠実な人でした。
私は今でもその人を「信頼」しています。
 
ただ事業の失敗による借金の返済があるのでしょう。
私に「お金を貸して欲しい」と頼まれたことが何度かありました。
必ず返すからと話してくれましたが、
結局完済されずに数年間放置の状態でした。
 
そういった状態でしたが、
昨日5年ぶりにその方から「お金を返した」という連絡を頂いたのです。
私は、お金が返ってくることよりも、
その人がお金を返してくれたことに、とても「喜び」を感じました。
その人が、今でも元気にやっていて、そして返済できる余裕までできたことに、
大きな「喜び」を感じたのです。
 
「よかった!」
 
それが、私の率直な「感情」です。
内緒ですが、少し涙目になりました。
 
先日ブログで、お金を貸した話をしたばかりのタイミングで、
この方からのご連絡があったことに、私は「ご縁」を感じるのです。
 
私は久しぶりに、涙が出るほどの「嬉しさ」を感じました。