「トリックスター」はお好きですか?

トリックスター」という言葉をご存じですか?
 
ウィキペディアによりますと、以下のような解説がされています。

神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、
物語を引っかき回すいたずら好きとして描かれる人物のこと。
善と悪、破壊と生産、賢者と愚者など、全く異なる二面性を併せ持つのが特徴。
ユングの『元型論』で「トリックスター元型」として
人間の超個人的性格類型として取り上げられたことでも知られる。

 
例えば、人間に火を与えるために神の元から火を盗んだギリシャ神話のプロメーテウス。
手のつけられない暴れん坊だが、人助けで八岐大蛇を退治する日本神話のスサノオ
一番わかりやすい例は、西遊記孫悟空でしょうか。
 
トリックスター」は、人間達を魅了する存在です。
私もプロメーテウスが大好きで、過去にブログで記事にしています。
(過去ブログ:ギリシャ神話はお好きですか?
 
漫画や小説にも「トリックスター」が、よく登場します。
私の大好きな漫画の「ハンターハンター」の「ヒソカ」というキャラもそうです。
それから日本の民話の「きっちょむさん」。
とんちで偉い人を煙に巻く憎めないキャラクターの「きっちょむさん」を、
日本人は昔から愛していたのです。
 
とにかく「トリックスター」は、物語をかき回します。
それは、彼らが何者にも属さない変わり者だから。
 
この「何者にも属さず」自分の考えで動くというところがポイントです。
 
日本の政治家にもトリックスターは存在します。
自民党をぶっ壊す」と発言した小泉元首相。
二大政党制なんか無視して、既存のイデオロギーも無視して、
掛け値なしの自分の価値観で政界に挑んだ、橋下徹さん。
 
彼らは、とても人気です。
 
私が観るに、権力やお金に媚びることなく、
完全に自分のやりたい価値観で動いている人達だからこそ、
彼らは人々を魅了します。
 
「お金」で転びそうな政治家や、「お金」儲けに夢中な政治家、
どこかの国家や団体にヘイコラしている政治家は、お呼びじゃないのです。
 
いい悪いは置いておいて、
はっきり言って、
「国民のために!」「戦争反対!」とお決まりのテーマを唱える政治家よりも、
純粋に自分の夢や価値観で動き、
何者にも属さない「トリックスター」な政治家の方が国民の「心」をつかむと考えます。
 
トリックスター」は、秩序への反逆者です。
秩序を破壊して新たな世界を創造する役割を、
人々は彼らに期待しているのかもしれません。
「善」と「悪」の対立というお決まりの秩序よりも、
人間は「破壊」と「進歩」を求める存在なのではないかと私は考えるのです。
 
そういう意味では、
第二次世界大戦ヒトラーに熱狂したドイツの人達の心情も理解できるような気がします。
 
「善」や「悪」よりも、人間は「進歩」に興味があるのです。
 
(注)文脈をみてもらえばわかるとおり、この文章は
   当ブログで紹介した日本の政治家とヒトラーを結びつける意図で、
   書いてはいません。
   ただ、「トリックスター」という共通の人気要素を有していると指摘したのみです。